ホームドクターがいる場合


かかりつけのホームドクターがあるならそちらに任せるのが何よりも一番です。ホームドクターというのは、もう何年・何十年もかかりつけの病院の事を指し、また家族全員そこで見てもらっていたり、と信頼を置いている病院の事です。ホームドクターなら今までの歯の過程・またあなた自身の性格や、手入れのタイプ健康状態等も把握しきっていますから、必然的にあなたに合った入れ歯が作ってもらえるでしょう。

それに、信頼している先生ですから、質問をすればきちんと答えてくれるでしょうし、また医師側も付き合いの長い患者の治療に手を抜くと言う事はまずありえません。

「手を抜く」という言葉を敢えて使いました。というのも、 近年価格破壊なる言葉がはやっています。大量生産でモノ余りの今日、それでも売りまくるには、ダンピングしかないのは自然のなりゆきです。これらの風潮は少量生産の一次産品(農水産物)にまで及び、海外からの輸入品や、産業の空洞化を招いています。入れ歯を作る歯科技工の世界でも例外ではありません。歯科技工士が患者さん個々の形や容貌に合わせコツコツと造っていては、値下げ要求の嵐の中で、経営困難になります。 大手のラボ(歯科技工所)では機械を使ったオートメイション化や、ライセンスのないパートタイム人員を使ってコストの削減に走っています。近年では日本以外の人件費の安い国々に、補綴物(入れ歯など)を造ってもらい、経営の効率化からのみ発想された義歯製作会社も現れました。 歯科医師も人の子です、粗悪品でも安いにこしたことはなく、合わない入れ歯に流れていきます。バブル崩壊後、特に顕著になったと思われる、技工所へのダンピング要求の嵐は、工業製品の価格破壊に平行してみられます。その結果、粗悪品の横行もみられるようになりました。 医療の名の下に金儲け主義が見え隠れしています。

このような事をされる心配はまず無いです。信頼のおけるホームドクターにとことん任せましょう。

特に決まった歯科医がない場合

多くの方はホームドクターを持っていないでしょう。 いい病院を探すといったって、まさか全国津々浦々の病院を回っていい歯科医を見つけるわけには行きません。

  • 患者が多い・少ない。
  • 患者の年齢層
  • 高級な雰囲気・貧乏くさい。
  • 大きな看板・小さな看板。
  • 親子二代歯科医院。
  • 短い治療期間。
  • 一戸建て・ビル内開業。
  • 設備の派手さ・質素な設備。
  • スタッフの定着率。
  • 補綴物(入れ歯等の作りモノ)の勧め方の善し悪し。
  • 黙って座れば、黙って抜歯。
  • 駅前か・郊外か。
  • やたら修了証書の額縁を飾ってある。
こういった例を使って、良い病院か悪い病院かを見極めようといったことを述べらているものがありますが、これはまったく関係はなく、逆に誤解を招き失敗してしまう可能性だってあります。


わたくし共が考えるいい病院の選び方を紹介します。
あくまでも推測ですので、参考程度にとどめておいてください。

(1)
治療を受け持った先生が一体どれくらいの時間をかけて治療をしてくれるのか、治療後にはどこがどのようになってしまって、こんなことになってしまっている。治さないといつかはどのようなことになってしまう。どうしてそんなことになったのか、今から治療を始めるとどれくらいの期間を要するのか。またいくらくらいかかるのか。そういった事をしっかりと説明してくれる医師を探しましょう。

これはインフォ−ムドコンセントと呼ばれる医師と患者にとって基本的、かつ最も重要な「説明と同意」です。説明をしてくれ、さらに質問をするとしっかりと分かりやすく答えてくれる医師は信頼してもいいかもしれません。もちろん、相性というものが人間同士の付き合いになると発生します。説明してくれ、質問にも何でも答えてくれるからといって、それですぐに信頼出来るか、というとそうではないでしょう。少しでも不信に思う点があった場合、そこでその医師を選ぶか否かは、あなたの勘にかかってきます。

(2)
いきなり外来で入れ歯を作って欲しいと言っても、ホ−ムドクタ−として、蓄積されたデ−タ−の無い人に、十分な判断材料が無いことがよく分かると思います。 もし、ホームドクターとして関わっていれば、歯が抜け落ちてきた過去の経緯を知っており、それなりに対応もできます。

*
よく失敗する歯科医師は診断を誤っていることが多く、残念な事です。ベテラン歯科医師は診断が的確である素地があるといえましょう。
*
「診断」に認められる保険点数は微々たるものです。勢い、おざなりな診断で型を採り、技工にまわることになります。診断に要する時間も、金額としての報酬に加味されることが好ましいのですが、現行の保険点数は「出来高払い制」を採っており、無形の頭脳処理にはほとんど報酬がありません。
要するに、入れ歯作成での診断を十分に行わない歯科医からは離れた方がいいのかもしれません。あくまでも憶測ですが。

(3)
義歯製作前のチェック

* 義歯製作に関して、チェックされるべき要点は、審美性、機能性、物理性、生理的、経済性等があげられます。これらのバックボーンに患者への心理的配慮が加わって広い意味での診断になります。最もこれらは義歯製作に関する診断です。歯科医師が医療施術者として、他の病気の診断をするのは言うまでもありません。(いろいろのリスク回避のためにも必然と言えます。
* 審美性とは、義歯が患者さんの容貌にどれくらいマッチしているか、その自然感を表します。 歯の形態、色調、大きさ、配列位置(人工歯の並らび方)、個人的な容貌への欲求等です。 歯の形、色、サイズについてみますと、多くの組み合わせがあり、その患者さん個人にもっとも適した組み合わせを選択します。たとえば、選択の際の一般的なケースとして、「女性で年齢が70歳、小柄で丸顔、色白、入れ歯歴20年ちかく、総入れ歯に関しては今回の製作で3回目」という場合です。以上のようなことがごく普通の人工歯選択基準でもあります。一般的答えを単純に表現しますと、前歯は丸型で年齢の割に白っぽい色、小さめの歯を使うことになります。並べ方は丸みを帯びた放物線状にします。入れ歯の噛み方にもなれていると思われますから、臼歯は幾分機能的に咀嚼効率のある歯にします。これに患者さんが「自然な感じに見えるように、多少の乱ぐい歯ふうにして」と希望があればそれに添うことになります。・・・といった具合に進められます。

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